2021.5.14
畳の歴史、お家の歴史
皆さんこんにちは!
メープルの石園です。
すっかり暖かくなりましたね。
ぽかぽか陽気の天気の良い日には、畳に転がってお昼寝したくなってしまいます。
昔ながらの純和風のお家は少なくなりましたが、畳のお部屋が有るお家はまだまだ多いのではないでしょうか。
壁は洋室と同じくクロスで仕上げるけど床はフローリングでは無く畳にしたり、
小上がりの畳スペースを作ったり・・・
日本人にとって、畳の空間はやっぱり落ち着く空間なのだと思います。
畳と言えば、先日お客様が、
「お家の1階の畳が傷んできたので、まだ綺麗な2階の畳と入れ変えようと思ったけど、入らなかった」と仰っていました。
そうなんです。
実は、今のお家って、畳の大きさが1枚1枚違うんです。
昔は、畳のサイズに合わせて柱の位置を決めていたため、柱と柱の間隔が部屋によって異なっていました。
これを「畳割り」と言うのですが、この考え方で作られたお家なら畳のサイズが同じなので、入れ変える事が可能です。
昔は冠婚葬祭の儀式を自宅で行っていたため、婚礼などの祝い事と、お葬式などの弔い事で畳の敷き方を変えていました。
畳の四隅が揃わない敷き方が「祝儀敷き」で、最近のお宅の畳は基本的にこの敷き方になっていると思います。
逆に、畳の向きを揃え、四隅を揃えて敷くのが「不祝儀敷き」です。
弔い事の時に用いられる「不祝儀敷き」ですが、この敷き方だと畳の向きが揃うので、畳が傷みにくく、メンテナンスもしやすいというメリットが有ります。
その為、寺社仏閣だけでなく、大勢の利用者が同じ向きで座ることが多い旅館などの大広間などもこの敷き方をしているところが有ります。
時が経つにつれ、核家族が増え、和室の続き間が有るお家は減り、冠婚葬祭の儀式を自宅で行う人は少なくなり、その度に畳を敷き変えるという事もしなくなりました。
その為、今では前述の「畳の大きさから柱の間隔を決める畳割り」では無く、
「柱の間隔は一定で、それに合わせて畳のサイズを決める柱割り」で作られるお家が主流になっています。
「柱割り」で作られたお家は、柱の間隔は一定でも、部屋の大きさや壁の厚さによって、畳のサイズが微妙に一枚ずつ異なる事になります。
一般的な「京間」と「江戸間」で畳のサイズが違うというのも、元々は「畳割り」か「柱割り」かによって派生してきたものなのですが、
今では多くのお家が、畳のお部屋が有っても無くても「柱間隔が91cm(=柱割り)の江戸間」で建てられています。
私自身、新築の物件で「畳割り」をもとに設計したことは一度もありません。
でもたまに、和室の続き間が有って、広縁があって・・・といったお宅の寸法を確認すると、「畳割り」で建てられたお家に出会うことが有ります。
きっとこのお家は、何世代もの家族が、大事に暮らして来たんだなぁと思うと、ほっこりした気持ちになります。
大事に住んで来たお家を壊してしまうのでは無く、リフォーム・リノベーションで今の暮らしに合わせながら、住み継いでいくって素敵ですよね。
メープルでは、畳の交換から一軒丸ごとのフルリノベーションまで、お家の事ならなんでもご提案出来ます。
古くなったから…とお家を壊してしまう前に、是非一度、お気軽にリノベーションのご相談頂けたらと思います。
スタッフ一同、お待ちしております。
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