2021.12.22
日本の住宅の地域による違い
こんにちは!
リフォームギャラリーメープルの山本です。
日本には四季がありますが、気候条件が地域によって異なりますよね。
今のこの時期は、北海道などの北の方は雪がたくさん降りますが、南の方の沖縄は比較的暖かい気候だと思います。
となると、同じ国内でも住宅のつくりに違いが見られるのではないでしょうか?
今回は、そんな日本の地域による住宅の違いをご紹介します!
【北海道・東北】
まずは、北海道・東北エリアから。
先程も述べたように、この地域は冬に気温が大きく下がり、積雪量も非常に多いです。
そんな気候のもと、快適に暮らせるように、「高気密・高断熱」になっているのが特徴です。
玄関が二重になっているのをテレビなどで見たことがある方もいらっしゃるかもしれませんが、外の冷気が室内に入らないようになっています。
また、大量の雪が降り積もると非常に重くなり、それが屋根に積もると建物が倒壊する危険があるため、傾斜の無い屋根(陸屋根)は取り入れていません。
しかし、勾配が浅く雪が積もりやすいような屋根が主流です。
雪が積もりやすいと雪下ろしが大変になるんじゃないの?と思われるかもしれませんが、積雪が家の前を通行する人の上に落下して危害を与えないようにするために配慮されています。
また、瓦よりもトタン屋根が多いという特徴もあります。
その理由は、雪は雨とは違ってすぐに流れ落ちたりしないため、瓦だと裏に徐々に浸透して雨漏りになってしまうこと、雪下ろしのために上ることが多いため瓦だと破損しやすいこと、積雪時の屋根の重さを少しでも軽減するため、などが挙げられます。
さらに、この地域の積雪は、建物の2階部分に相当する高さになることも少なくありません。
そのため、建物の1階部分が地上より高く作られていることが多く、雪が積もっても、出入りできるように工夫されています。
豪雪による停電も発生することがあるので、それに備えて暖炉を設けている住宅も多いです。
【東京】
続いては日本の首都、東京です。
日本の中心である東京は、土地が少なくなってきているため、戸建てではなく、マンションに住むという人が多いのが特徴です。
また、物価が非常に高いため、当然土地の価格も高くなってしまいます。
そのため、戸建てに住むとなっても、他の地域よりも小さいお家であることが多いです。
土地が狭いと、近隣との距離も近いため、日頃の生活音でトラブルにならないよう、防音性の高さが重視されているようです。
【東海・近畿】
日本列島のちょうど真ん中ほどに位置するこの地域は、1年を通して寒暖差が激しいです。
そんな気候に対応できるよう、夏に焦点を当てた住宅構造になっています。
冬の快適さを優先して、北海道や東北地域のように高気密、高断熱にしすぎると、風通しも制限されるため、夏は室内の熱気がこもりやすくなってしまいます。
夏でも快適に過ごせるように、ある程度風通しが良くなっているのが特徴です。
大きな窓やファンを設置して、外気を取り込みやすくしています。
【九州】
九州は温暖な地域で、冬はそこまで寒くはなりませんが、夏~秋は台風の進路となることや、梅雨前線が停滞することの多い地域です。
そのため、屋根に風水害対策をとっている家が多いです。
瓦屋根は瓦と瓦の間を漆喰で塗り固めるなどの補強を行うことで、瓦が暴風に吹き飛ばされることを防いでいます。
また、雨が流れ落ちやすいよう、勾配が強めなことも特徴の1つです。
そのほか、九州には桜島や霧島、阿蘇山など活動が活発な火山が点在しているため、近年では火山灰対策として「克灰住宅」が注目されています。
克灰住宅とは、降灰について家屋内への侵入を防ぐ・雨で流れやすくする・除去作業を容易にするという3つの工夫が見られる住宅です。
例えば、窓を気密サッシや二重サッシにしたり、灰シューターという屋根から落ちる灰が自動的にたまってゆく仕組みを設置するなど、その地域ならではの住宅のしくみになっています。
【沖縄】
沖縄は台風の上陸が非常に多い地域です。
よって、住宅は台風による暴風雨にも耐えられるような工夫がされています。
その1つとして、平屋建てであること。
小さい家は、外部の屋根や壁の面積も少なく、風の当たる見付面積が小さいため、台風などの強風にも有効なんです。
構造的にも、台風に強い鉄筋コンクリート造(RC造)の住宅がほとんどです。
しかし、RC造には熱を溜めこんでしまうデメリットがあります。
その対策として、家の壁を白色にして太陽光を反射し、熱の吸収を和らげることで、より快適に過ごせるよう工夫がされています。
さらに、住宅に風が直撃するのを防ぐために、ブロック塀が家を囲んでいます。
この塀には、沖縄建築独特のデザイン性のある穴の空いたコンクリートブロック(花ブロックと言います)が見られるのも特徴です。
穴が空いていることで、強い日射しを遮る一方で、穴から柔らかい光と風を取り入れられたり、外の景色が入り込む開放感を残しつつ、人の視線も適度に遮断しプライバシーを確保する働きがあります。
ほかには、沖縄といえばシーサーが有名ですよね。
昔は赤瓦の屋根の上に、守り神としてシーサーを乗せることが一般的でしたが、最近は門柱に置く住宅が増えてきました。
各地域の気候に対応しながら、快適に過ごせるような工夫がされていることが分かります。
同じ日本に住んでいても、住まいにも地域差が表れていて面白いです。
自分の住んでいる近くの住宅街を歩いてみると、新たな発見があるかもしれませんね。
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